平成13年度 経常研究          特別研究へ   戻る


1.金属屑を原料とした金属間化合物の用途開発(材料技術課)
2.グリーン状態で接合したセラミックスの焼結特性(材料技術課)
3.レーザクラッド法による表面改質層のトライボロジー特性(材料技術課)
4.生分解性プラスチックの分解性の評価方法(材料技術課)
5.手の動作の解析によるロボットアームの開発(電子機械課)
6.カラー画像を用いた3次元物体の特徴抽出(電子機械課)
7.生産支援のためのハンドリングと知的データ処理(電子機械課)
8.光造形システムによる簡易樹脂型を用いた型成形(電子機械課)
9.合成繊維系廃棄物の有効利用(生活科学課)
10.藍染めのにじみに関する色彩的評価法(生活科学課)
11.装飾ボード自動加工装置を用いた曲面装飾(生活科学課)
12.新規ワカメ加工技術の開発(食品技術課)
13.野菜浅漬け製造工程中における微生物の挙動(食品技術課)
14.ビス型第四アンモニウム塩を固定化した抗菌素材の製品化技術(食品技術課)
15.小瓶入りスダチ果汁製品の品質劣化原因とその対策(応用生物課)
16.中小食品製造企業対応HACCPシステムの確立(応用生物課)
17.醤油粕の微生物による可溶化利用(応用生物課)

 


金属屑を原料とした金属間化合物の用途開発  先頭へ戻る

期 間:不明(継続)
内 容
ベアリング部品工場から排出される研削屑(微細な金属屑)は有償で処分されるか、あるいは埋立処分されている。この数年この研削屑のリサイクルを検討しているが、最近の調査研究で、研削屑からFe3Al 、FeAlなどの金属間化合物の合成が可能であることが分かった。Fe-Al金属間化合物は、耐酸化性に優れ、低比重で、また、安全性などの理由で、ステンレス綱あるいは中間温度領域用ニッケル基合金の代替材料として期待されている材料である。しかし、出発原料には、電解鉄やアトマイズド鉄などの高価な材料を用いており、鉄屑を用いた研究は見あたらない。次年度の研究では、鉄屑を用いたFe-Al 系金属間化合物の合成条件、ならびに添加物の影響について検討を行う。


グリーン状態で接合したセラミックスの焼結特性  先頭へ戻る

期 間:平成13年(新規)

内 容
材料は、使用目的にあった形状に加工して使用される。セラミックス、金属間化合物等は一般には原料粉末を出発物質とし焼結することによって固化する。固化後の加工は困難なため最終形状にほぼ近い状態に焼結することが望ましい。(ニアネットシェイプ成形)グリーン状態(焼結前の予備固化状態)で種類の形状のものを接合することができれば複雑な形状付与が可能になる。現在実施中のワックスを用いた成形法では接合面の一部を溶融接合することが可能で、このようにして得られた接合体の焼結特性を検討・評価する。

 


レーザクラッド法による表面改質層のトライボロジー特性  先頭へ戻る

期 間:平成13年(新規)

内 容
現在の工業分野において、材料表面改質は生産技術の進歩に伴い多くの場面で検討され、実用化されている。それに伴い表面改質膜等の機械的・化学的挙動を知ることが重要となり多くの方法が用いられ検討されている。そこで本研究は、トライポロジーを用い、表面改質膜の耐摩耗特性について検討する。

 


生分解性プラスチックの分解性の評価方法  先頭へ戻る

期 間:平成11年〜(3年目)

内 容
各樹脂メーカーより提供を受けた生分解性プラスチック6種について、フィルム試験片及びダンベル試験片に成形加工後、土壌埋設し、定期的なサンプリングを行い、物性(厚さ、引張強さ、伸び、重量等)を計測し確保自立の変化をモニタリングする。また、各保持率の変化に加えFT-IRにより分解挙動を追跡し、分光学的なデータの集積を行う。さらに、土壌中に生息する分解菌の検索についても物性評価と会わせて検討する。

 


手の動作の解析によるロボットアームの開発  先頭へ戻る

期 間:平成13年〜(新規)
内 容
柔らかさやスピードのある動き、優しくなぞる、撫でる、軽量な割には比較的大きな可搬重量性能を持つ等、曖昧性を含む人間の優れた動作の解析を行い、介護やアミューズメント等、現状のロボットでは適さない分野での応用を可能にする研究を行う。人間の動作の解析を行うため、まず、加速度、位置情報の検出用のためのセンサーを組み込んだアームを試作し、複雑な人の動きの中で単純化のため、対象を手や腕に限定し、目的の動作を行う際の動きを加速度を中心に研究する。この動作の解析により、人とロボットが異なる動作を受けるときの心地よい感覚について解析を行う。また、人の優れた動作になるべく近い動作を可能にするコンパクトなアクチュエータについても研究し、可能な限り人の腕に近い動作を行うロボットアームの試作を行う。

 


カラー画像を用いた3次元物体の特徴抽出   先頭へ戻る

期 間:平成12年〜(2年目)
内 容
3次元物体をカラーカメラで撮影し,撮影中に物体上の合焦位置を変えることで,カメラから物体上の合焦位置までの距離を計算し,3次元形状を求める手法を開発する.カラー画像において,エッジ部分の色の頻度はエッジ両側の色の頻度に比べて少なく,合焦の度合いによりその頻度が変化するという特徴がある.そこで,まず,この特徴を利用したエッジの新しい合焦評価手法の検討を行う.つぎに,テレセントリックレンズを装着した3CCDカラーカメラを1軸のステージに設置し,レンズの軸方向に微小移動させながら,テキスチャー性を有する滑らかな3次元物体を撮影し,焦点位置の異なる複数枚の画像を取得する.これらの画像の各カメラ位置での合焦箇所を調べ,物体の奥行き情報を取得し,距離画像を作成する.さらに,得られた距離画像より,コンピュータグラフィックスライブラリを用いて,3次元形状をコンピュータ上に再構成する.

 


生産支援のためのハンドリングと知的データ処理   先頭へ戻る

 

期 間:平成13年〜(新規)
内 容
本県の特産品であるスダチや,カボス,ユズなどの球状物体の自動検査のためのハンドリングと等級選別の方法について検討する。

農作物の表面検査は,大部分が作業者の経験と勘に頼っている.ところが,検査においては判定を困難にする様々な要因が散在し,明確な検査基準を設定することができない。そこで,作業者の検査能力を自動検査に実現するためのセンシング技術と検査結果の判定に統計手法やニューラルネットワークを応用するための技術開発を行う。

CCDカメラで表面全体を撮影して,欠陥部分の面積,個数,分散などの検査に必要なパラメータを抽出し,ニューラルネットワークに入力して等級選別を行う.ニューラルネットワークには階層型を用い,熟練者が選別した農作物からパラメータを抽出し,これらを教師データとして学習させておく。

 


光造形システムによる簡易樹脂型を用いた型成形   先頭へ戻る

 

期 間:平成10年〜(4年目)
内 容
光造形装置でフィラー入り樹脂を硬化させて,各種型成形用の樹脂型を作成する。本年度はキャビ・コア両型を樹脂化した射出成形とパンチ・ダイを樹脂化したオフセット型によるプレス成形を行う。

 射出成形によるシェル形状樹脂部品の作成では、一体成形テーパガイドピンなど、両型の面合わせ精度確保のための手法開発などが研究内容となる。また、ナイロン、ポリカなど機械的強度が高く、かつ、射出成形性の悪い材料に対しても本手法を適応するため、樹脂型の高強度化設計および型寿命向上のための射出成形条件などを検討する。

 プレス成形による薄板金属板の3次元曲げ、絞り加工では、オフセット型の適応範囲(成形可能な形状の範囲)を広げることを目標とする。絞り度とエッジフィレットサイズをどの程度まで上げられるかの実験的実証が主要な研究内容となる。成形には汎用の圧縮試験機を用いるため、両型の位置合わせ冶具の設計も再検討する。

 


合成繊維系廃棄物の有効利用   先頭へ戻る

 

期 間:平成12年〜(2年目)
内 容
縫製工場から排出される裁断屑(特に合成繊維系)の処分問題を解決し、処理(焼却、埋め立て)に伴う環境汚染にも対処できるようなリサイクル方法について調査・検討してきた。

いままでは、開繊機による綿化したものの利用について、特に農業・園芸用資材としての用途を追求してきた。養液栽培用培地、天然芝育成マットなどを実際に作成のうえ試用し、効用を確認した。

綿化してリサイクルする方法は、開繊加工におけるコストおよび保水性の面で問題がある。今年度は保水性を向上させるため、成型時の圧縮率をより高めたもの、および繊維屑を切断粉砕したものについて、検討する。

次いで、コストダウンを図り、大量に処理できる方法として、粉砕加工を検討する。粉砕機の調査と粉砕加工、および粉砕した繊維の有効利用について追求する。

 


藍染めのにじみに関する色彩的評価法   先頭へ戻る

期 間:

内 容
伝統的な手仕事によって作られる藍染製品は、偶然性を持つことから均一な工業製品にはない趣があるとされ重宝がられている。藍染は他の染料と異なり、浸染と空気酸化を繰り返して染め重ねる。そのため、一度の浸染で均一に染める他の染料と異なり、絞り際に濃淡ができる。この藍染特有の濃淡のにじみが天然藍の味になり、このような「にじみ」は天然藍染製品には大きなセールスポイントである。しかしながら、客観的な評価方法や系統的な尺度をもっていない。そこで、系統的な評価の方法を確立することを目的とする。今年度は、合成藍と天然藍を用いた染料液で染色したサンプルを作成し、天然藍と合成藍のにじみを比較検討する。評価は、デジタルカメラでサンプルを撮影後にじみの分布を画像解析し、さらに、2次元測色システムによる解析についても検討する。

 


装飾ボード自動加工装置を用いた曲面装飾の研究(2)   先頭へ戻る

期 間:平成12年〜(2年目)
内 容
平成11年度に研究者養成型共同研究で「装飾ボード自動加工装置の高機能化技術」を実施し、システムの実用化を行い「ツキ板象嵌自動加工装置」を完成した。この装置を用いて平成12年度から、装飾図柄配置を曲面に広げることによるツキ板象嵌のより広範囲な用途拡大を目指している。

 今年度は

  ○曲面対応ツキ板象嵌シートの接着技術

  ○曲面対応ツキ板象嵌シートの表面処理

  ○ツキ板象嵌の用途開発

  ○ツキ板象嵌使用の家具等の試作

を検討する。

 


新規ワカメ加工技術の開発   先頭へ戻る

期 間:平成13年〜(新規)
内 容
灰干し加工に代わる新規加工方法の開発に関する要望や相談等が、関係業界のみならず各方面から寄せられている。本研究では、灰干し加工や湯通し塩蔵加工などの従来法で製造された加工品の特性を分析し、新規性のある品質の高い製品を作るための加工法を開発することを目的とする。

灰干し加工法は、灰の適当なアルカリ度によりクロロフィル色素の分解が抑えられ、水溶性成分中のカルシウムにより物性が向上するといわれている加工法である。一方、湯通し塩蔵法は、高温で短時間湯通しして顕色化や蛋白変性を起こし、更に塩蔵によって保存性を高めた加工法である。しかしながら、これらに代わる加工用材や加工法の開発に際しては、さらに詳細な検討が必要である。今年度は、具体的には、各種加工用材料の元素およびイオン分析、各種ワカメ加工品の色素に関する分析、物性と多糖類構造の関係についての検討等を行い、同時に保存試験を行う予定である。

 


野菜浅漬け製造工程中における微生物の挙動   先頭へ戻る

期 間:平成13年〜(新規)
内 容
近年、食品の流通段階で要求される衛生基準はますます厳しいものになっている。しかし、浅漬け類の場合加熱殺菌が不可能であり、また食品用日持ち向上剤は酸やアルコールを含んでおり、野菜の色調や味を低下させるため使用できない。そこで、洗浄による除菌方法の確立を目的として、本年度は製造工程中における微生物の挙動を把握し、洗浄、除菌方法確立のための基礎資料とする。測定対象微生物としては、流通段階で分析証明書が要求される大腸菌群、食中毒菌および一般生菌数の他、品質に影響を及ぼすと考えられる乳酸菌、真菌、低温細菌等についても検査を行い、汚染源と汚染微生物を明らかにする。

 


ビス型第四アンモニウム塩を固定化した抗菌素材の製品化技術先頭へ戻る

期 間:平成13年〜(新規)
内 容

業界では防虫・抗菌材料の開発等従来の材料にない新しい機能を有する素材の開発が求められている.従来の材料に更に付加価値を与えると共に,快適な生活環境を形成するために,素材に求められる化学的・生体機能に着目し,抗菌,防臭,及びこれらの複合した機能を有する高分子材料の試作を行う.

抗菌剤(2,3-ビス(ヘキサデシルジメチルアンモニウムブロマイド)-1-プロパノール)に,重合性官能基であるメタクロイル基を導入した化合物を単独重合,共重合させることにより,機能性高分子材料を合成する.得られた機能性高分子材料を種々の素材に加工したものをシェイクフラスコ法,フィルム密着法により抗菌性の評価を行い,また他の機能性(帯電防止機能等)についても検討する.


小瓶入りスダチ果汁製品の品質劣化原因とその対策   先頭へ戻る

期 間:平成13年〜14年(新規)
内 容
小瓶入りスダチ果汁製品(スダチ酢)の品質劣化原因を果汁の殺菌温度,陳列棚の照明,ヘッドスペース部の空気による酸化との関係から検討する。また対策として還元型ビタミンC,ルチン等の酸化防止剤添加の効果,モデル容器によるヘッドスペース部の窒素置換の効果を検討する。

 


中小食品製造企業対応HACCPシステムの確立  先頭へ戻る

期 間:平成12年〜(2年目)
内 容
食中毒事件や食品の異物混入事故は,食品の安全性確保の重要性を再認識させた。食品の安全性確保の手段として,HACCP(危害分析重要管理点)方式による食品製造管理システムが注目されている。しかしながら,大企業が導入しているHACCP方式を中小食品製造企業にそのまま導入することは困難である。中小食品製造企業にHACCP方式に基づく管理システムの導入・普及を図るためには,重要な管理ポイントを特定し,簡易迅速に監視できる方法を確立する必要がある。本年度は以下の項目について検討する。 @豆腐,菓子,果実飲料製造工場の施設,機械,器具,作業者の清浄度確認.A汚染箇所の効率的な洗浄方法.BATP法による清浄度・微生物確認.

 


醤油粕の微生物による可溶化利用   先頭へ戻る

期 間:平成12年〜(2年目)
内 容
醤油の製造に伴って副次的に産出される醤油粕を微生物や酵素により可溶化し有効利用する技術の検討を行う。平成12年度においては、清酒製造過程で産出される酒粕に微生物を作用させ、新しいタイプの食品開発も合わせて試みた。紅麹菌(Monascus pilosus)を使用した米麹に焼酎、食塩を混合して漬床を調製し、これに酒粕を漬け込み、熟成させ、豆腐ようタイプの食品を試作した。20℃で熟成を行った場合、テクスチャーが良好であった。醤油粕の可溶化については食用担子菌のヒラタケ(Pleurotus ostreatus)とシイタケ(Lentinus edodes)を使用して培養試験を行った。その結果、両菌株とも水洗(脱塩)した醤油粕を単独栄養源として良好に生育し、それに伴って醤油粕の重量を減少させていることが判明した。今後、他の微生物や酵素を用いた複合生物系による可溶化についても検討する予定である。

 


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