平成11年度に購入した機器をご紹介します.
1.熱分析システム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・平成11年度
日本自転車振興会補助事業
2.粘弾性測定装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・平成11年度
日本自転車振興会補助事業
3.アイリッヒ逆流式高速混合機 ・・・・・・・・平成11年度
日本自転車振興会補助事業
1.熱分析システム (EXSTAR6000 Series セイコーインスツルメンツ)
【 装置概要 】
熱分析装置は,試料の熱的な物性値の変化を連続的に測定する装置です。
本システムは,示査熱量同時測定装置(TG/DTA),示査走査熱量計(DSC),熱・応力・歪測定装置(TMA/SS)から構成されています。
TG/DTAは,試料を一定速度で加熱しながらその重量変化と基準物質との熱挙動の差を連続的に同時測定する。この装置によって,@試料の熱(分解)反応の過程A融点・沸点B相転移等が分かります。
DSCは,試料と基準物質を加熱または冷却した場合に両者の温度差をゼロに保つのに必要なエネルギを時間または温度に対して測定します。この装置によって,@比熱,反応熱及び転移熱の定量A結晶化度,純度,反応速度及び結晶化速度の決定が可能です。
TMA/SSは,試料に一定荷重を掛けて加熱することにより,試料の熱に対する機械的特性を測定します。
この装置によって,@熱膨張率,ガラス転移A応力・歪,応力緩和等の測定が可能です。
【 仕 様 】
項 目 | 仕 様 | |
TG/DTA | 温度範囲 | 室温〜1500℃ |
天秤方式 | 水平差動型 | |
TG範囲 | ± 200mg (感度:0.1μg) | |
DTA範囲 | ± 1000μV(感度:0.03μV) | |
DSC | ||
DSC6200 | 温度範囲 | -150〜725℃ |
熱流計測方式 | 熱流速型 | |
測定範囲 | ± 100mV(感度:0.8μW) | |
DSC6300 | 温度範囲 | 室温〜1500℃ |
熱流計測方式 | 熱流速型 | |
測定範囲 | ± 5000mW(感度:10μW) | |
TMA/SS | ||
TMA6100 | 温度範囲 | -150〜600℃ |
接続プローブ | 石英製 | |
測定範囲 | ± 5mm(感度:0.01μm) | |
TMA6300 | 温度範囲 | 室温〜1500℃ |
接続プローブ | アルミナ製 | |
測定範囲 | ± 5mm(感度:0.01μm) | |
応用ソフト | TG/DTA反応速度解析ソフト | |
DSC純度計算ソフト | ||
DSC比熱計算ソフト | ||
DSC反応速度解析ソフト | ||
粘弾性誘電解析ソフト |
2.粘弾性測定装置 (ハーケ社 レオストレス RS75)
【 装置概要 】
物質の変形と流動特性の測定は種々の材料分野で重要です。物質を流動させるには力が必要で物理学的に固体の場合のフックの法則が,液体の場合にはニュートンの法則が成立し,それぞれ弾性,粘性として表現されます。
弾性と粘性の特性を兼ね備えた性質を粘弾性といいレオロジーとして取り扱われています。この領域は基礎的には物質を構成する要素の運動や構造など微視的メカニズムと粘弾性的性質の関係を検討しますが,応用的には材料の粘弾性的性質と要求性能との関係,品質管理やプロセス制御など広い産業分野で使用されています。
物質の流動パターンはせん断速度と粘度との関係によって示され,その比例項が粘度として定義されます。
せん断速度とせん断応力との関係は流れ特性と密接に関係し,ニュートン流,擬塑性流,ダイラタント流,ビンガム流などに分類され,製品によってこれらのどの特性を発揮させるかが重要になります。従って,一定の条件下でせん断速度とせん断応力の関係を定量的に知ることが重要となっています。
本装置は広い範囲の流動特性を測定できるよう,共軸2重円筒管,コーンープレート,パラレルプレートなどのセンサーを備え,測定温度保持には使用温度範囲に応じて液体高温槽方式,高温用電気加熱方式を採用しています。また特殊装置としてノーマルフォース測定も可能です。
応用される測定例としては,ワックス−樹脂バインダーの流動特性,一般分散系(塗料,インキなど)の分散性,塗工適性,印刷適正,沈降安定性,ポリーマーの射出,ブロー成形性,各種コンパウンドの凝集構造,紡糸性,化粧品の適正,食品関係の降伏店(流動を開始する基準となる)ノーマルフォース(チューブからの押出しやすさ)などの分野で製品開発,品質管理などに応用されています。
【 特徴と仕様 】
エアーベアリング方式を採用し,微小起動トルクからの測定が可能で低粘度,ウルトラローシアー,微小ひずみの測定が可能です。
項 目 | 仕 様 |
最大トルク | 100mNm |
最小トルク | 0.005mNm |
最大スピードCS | 580 rpm |
最小スピードCS | 10-7 rpm |
最大スピードCR | 550 rpm |
最小スピードCR | 0.1 rpm |
最小周波数 | 0.001 Hz |
最大周波数 | 100 Hz |
ひずみ分解能 | 6×10-6rad |
ノーマルギャップ | 可 |
オートギャップ | 可 |
3.アイリッヒ逆流式高速混合機 (RV02E 日本アイリッヒ)
【 装置概要 】
アイリッヒ逆流式高速混合機は,逆流原理に基づいています.
原料を入れたパンが時計方向に回転し,その中でパンを中心に対して偏心して取り付けられた高速アジテーターとよばれる攪拌工具が,パンと逆方向に回転します.高速アジテーターの混合ブレードには,すくい角がつけられており,原料を跳ね上げながら,パンの中を相対的に円軌道を描いて回転するので,原料にまんべんなく水平,垂直の流れをつくります.また,パン周辺の原料は,固定されたスクレーパーによって再び混合領域に戻されます.
高速アジテーターは,その打撃,摩擦作用により,原料は飛散,流動し,位置変換が活発化するので著しく混合効果があります.
従来困難であった顔料や固着剤などの添加も,高速アジテーターにより,迅速,完全に分塊,分散し均一に混ぜ合わされます.また,繊維質の場合でも塊の発生がなく,すみやかに分散されます.アジテーターにはこのほか,工具の種類,回転数,処理条件などを設定することにより,造粒効果をもたせることも可能です.
【 仕 様 】
粉粒体のほか繊維状,ペースト状,粘土状の原料に適用され,均質化,混練,粉砕,解きほぐし,調質,造粒の機能を有しています.
項 目 | 仕 様 |
容 量 | 8〜10リットル/バッチ |
最大許容重量 | 10kg/バッチ |
パン駆動モータ | 出力:0.55/0.88KW,3.65/4.1A,200V,60Hz 回転数:1680/34,3300/66rpm 減速比:50:1 パン回転数:32/64 rpm |
アジテーター駆動モータ | 出力:3.7KW,13.6A,200V,60Hz 回転数:1730 rpm(MAX) インバーターによる無段変速 |
ヘッドブリッジ昇降用モータシリンダー | 出力:0.25KW,0.87/0.5A,220/380V,60Hz 回転数:3280 rpm |
材 質 | 接粉部(パン・アジテーター)ステンレス製 |